鈴木ほねつぎ/鈴木整体研究所

スズキ・カイロプラクティック

愛知県名古屋市西区城西3−21−17 離屋会館1階

受付時間(予約優先):午前9時~12時30分、午後3時~6時30分
休診:日曜日(全日)、木曜日・祝日の午後

お気軽にお問合せください

052-522-7472

コラム 駄弁港

平成27年(2015年)

第002便 「治る」という言葉 その2  4月19日出港

遅くなりましたが、先回に続き「治る」という言葉を考えてみます。

第001便では、基本的なカイロプラクティックの考え方を説明しました。それは背骨の両側にある椎間孔(ついかんこう)の大きさを揃える、全体としては背骨を真っ直ぐにする。そうすればその椎間孔を出入りする神経の機能が正常になる、といったことでした。

このように理想的に進めば苦労しません。簡単に「真っ直ぐ」にすることは難しいのです。その理由は、脊柱は骨盤(こつばん)を土台とし、骨盤は両方の足(下肢)で支えられているからです。もし骨盤や下肢にいろいろな障害があれば、骨盤に捻れが生じます。

脊柱の土台としての骨盤
骨盤は3つの骨で構成されて、リング状になっています。後ろから見て真ん中に仙骨(せんこつ)があります。仙骨は脊柱の一つで最下部にあります。実際にはその下に尾骨がありますが、ここの話では省きます。通常5つの仙椎が融合して、大きな一つの骨となっています。

この仙骨の左右に寛骨(かんこつ)があります。仙骨と寛骨は仙腸関節(せんちょうかんせつ)で繋がっています。左右の寛骨同士は前方で恥骨結合(ちこつけつごう)により繋がっています。寛骨も本来3つの骨(腸骨ちょうこつ、坐骨ざこつ、恥骨ちこつ)が融合して一つの骨となっています。

仙腸関節や恥骨結合が体重を受ける
直立した状態では、体の上半身の重さは骨盤にかかります。特に背骨からは仙骨の上面に伝わります。その重さは仙骨から両側の仙腸関節面を通して寛骨に伝わります。寛骨からは左右の股関節(こかんせつ)に伝わる力と、寛骨同士が前方で繋がる恥骨結合に伝わる力に分かれます。恥骨結合では左右の力が均等ならば打ち消されます。一方股関節に伝わった力は下肢へと伝わり、最後は足の裏に行くことになります。

恥骨結合を傷めたら
この骨盤にある関節、仙腸関節と恥骨結合が傷んでいたらどうなるでしょうか。またキズが治ったとしても、どのような状態になるのでしょうか。
まず恥骨結合について話してみます。この恥骨結合は軟骨で結合していますが、わずかに軸転します。また少しですが滑るような動きもするようです。

この恥骨結合の障害で最も大きいものとして、「離開(りかい)」があります。出産の時に骨盤は広がりますが、その時恥骨結合が離れてしまうのです。先に書いたように左右からの力が打ち消し合うようになっていますが、離開すると強い痛みが腰や恥骨結合に起こり、歩くこともできません。私も二人ほど治療したことがあります。適切に治療すれば症状はなくなります。でも恥骨結合の部分に何らかの瘢痕(はんこん)、つまり傷跡が残るかもしれません。

仙腸関節を傷めたら
もう一つの仙腸関節は、カイロプラクティックにとって最大の関心事の一つです。この仙腸関節は西洋医学的には通常「不動関節」、つまり「動かない関節」とされています。しかし靱帯(じんたい)があり関節間隙がありますので、実際にはわずかですが動きます。ただ高齢の方や何らかの病気の方の仙腸関節は隙間がなくなっていることもあります。

さて、仙骨と腸骨は体重を受けるためにしっかりした靱帯(仙腸靱帯といいます)によって結合しています。この靱帯が傷んでしまうことがあります。例えば尻もちをついてしまう、片方の足だけに体重を乗せて立っている癖のある、仕事で片方の足を踏ん張る、座っているときに片側のお尻に体重を乗せているなど、一方の仙腸関節に負担をかけていれば、その側の靱帯は徐々に固さを増します。その結果骨盤全体に歪みを生じ、仙骨は左右や前後に傾いてしまいます。それと同時に骨盤から脊柱を支える筋肉にも負担をかけます。

「ぎっくり腰」には、はっきりとした定義はありませんが、この仙腸関節にある靱帯を急激に傷めてしまうことや筋肉の挫傷によると思います。つまり仙腸関節の捻挫です。これも骨盤の捻れ、仙骨の傾きを起こしてしまいます。
一度傷めた仙腸靱帯や筋肉も瘢痕組織化、つまり固く短くなってしまいます。うまく元の通りに回復して欲しいのですが、靱帯はなかなか思い通りに回復しないようです。

骨盤の捻れ、仙骨の傾き
以上のように骨盤の関節の傷めてしまい、軟骨や靱帯が瘢痕組織化すると、脊柱を乗せる仙骨の上の面に左右、前後の傾きができてしまい、結果として脊柱は片側に倒れた状態になります。ですが、傾いて暮らすわけにも行きませんので、脊柱を支える筋肉がどこかでその傾きを戻すことになるでしょう。そこの箇所で椎間孔は片方が狭く、もう一方は少し開いた状態になります。

ですから脊柱を真っ直ぐにしようと思えば、骨盤の捻れをなくす必要があり、そのためには仙腸靱帯や恥骨結合の瘢痕を回復させる必要があり、さらに筋肉の回復を目指すということになります。しかし「言うは易く行うは難し」です。さらにこの状態に下肢の問題が加わります。これについては次便で。

コラム駄弁港トップページに戻ります。